プロペシアを簡単にまとめると?
プロペシアはAGA治療で最も普及している治療薬です。
有効成分のフィナステリドを主成分とし、AGAの進行を遅らせる働きがあります。(発毛を促す働きはほぼありませんので、この点をよく注意しましょう!)
2005年に厚生労働省によりAGA治療薬として認可され、その効果や副作用が多く検証されている比較的安心で、安定した効果が期待できる治療薬です。
日本皮膚科学会が発表している「脱毛症診療ガイドライン2017」においても「行うよう強く勧められる治療」であるAランクに認定されています。
AGA治療を行うほとんどのクリニックが処方するAGA治療の代表的な薬です。
効果が現れるのは6か月~1年が目安で、長期的な服用が必要となります。
プロペシアの値段
6000円~8000円
(初回費用は4200円のクリニックあり)
数字で見るプロペシアの効果
プロペシアはこれまで多くの臨床試験が行われ、データが出ています。
国内で行われたデータでは、次にような「改善効果」が見られました。
1年間服用した人 58%
2年間服用した人 68%
3年間服用した人 78%
とあり、服用を続けるほど効果が割合が高くなっています。
また「現状維持」の効果を表したデータもあり、
1年間の服用では40%
2年間の服用では31%
3年間の服用では20%
改善と現状維持を合わせると98%以上の人に効果が見られたという結果になっています。
プロペシアが効くメカニズム
プロペシアはフィナステリドという有効成分が主な成分となっています。
フィナステリドはAGAの原因物質であるジヒドロテストロン(DHT)に作用して、AGAの進行を食い止めます。
DHTができる生成されるのを防ぐ
DHTは男性ホルモンの一種であるテストステロンと5αリダクターゼが結びついて、生成されます。
プロペシアの有効成分であるフィナステリドはこの5αリダクターゼの働きに作用し、テストステロンと結びつくのを阻害し、DHTが作られるのを防ぎます。
DHTはヘアサイクルを乱す
DHTは髪の正常な生え変わりの周期を乱すAGAの原因となる物質です。
髪は誕生→成長期→退行期→休止期→生え変わる、という周期をたどっていきます。
成長期は通常4年~6年あると言われていて、髪のほとんどがこの段階にあります。
しかし、DHTはこの成長期を短くしてしまい、退行期や休止期へと向かわせてしまい、やがて抜けていきます。
こうなると髪は強く、太くなる前に抜け落ちてしまい、全体的にそうした髪が多くなるとボリュームがなく弱々しい印象の髪になっていきます。
さらにAGAが進行すると生えてこない髪が多くなり、薄毛となっていきます。
DHTを生成させないことにより、正常なヘアサイクルへと戻す
プロペシアはDHTを作らせないことにより、ヘアサイクルが乱されるのを防ぎ、さらにDHTによって乱れたヘアサイクルを戻していく働きがあります。
ここで注意しなければいけないのが、プロペシアはヘアサイクルを正常な状態にし、抜け毛を減らす働きがあるのであって、髪の毛を生やす=発毛の効果はないということです。
もし薄毛に悩んでいて「髪の毛をもっと生やしたい!」と思ってらっしゃるのであれば、プロペシアだけでは不十分です。
ミノキシジルなどの発毛促進効果のある成分を含んだ治療薬を使っていく必要があります。
プロペシアの副作用
プロペシアの副作用の発現率は1%以下と言われています。
主な副作用は性欲減退、性機能不全、肝機能不全です。
発現率としては他の治療薬に比べてもそれほど高くないため、比較的安全な治療薬と言えます。
ただし、プロペシアは肝臓で分解されるため、肝機能に心配がある人は注意しましょう。
プロペシア服用時の注意点
毎日飲む
プロペシアは体内で24時間程度作用します。
24時間の間、DHTが発生するのを妨げ、AGAの進行をストップします。
なので、1日飲み忘れてしまうとこのDHTの発生を止める作用がなくなってしまい、AGAを進行させるDHTが体内で作られてしまいます。
AGAを少しでも進行させないために、毎日決まった時間に服用しましょう。
逆に、飲み忘れてしまったからと言って2日分飲んでも意味がないので、その点も頭に入れておきましょう。
服用禁止と献血の禁止
プロペシアは女性の服用が禁止されています。
特に妊婦の人は手に薬が触れるのも厳禁です。
プロペシアは男性ホルモンに作用するため、男性胎児の生殖器発育に影響を及ぼす可能性があるためです。
プロペシア服用時の献血も禁止されています。
理由は、上記のように女性や妊婦の人にフィナステリドが含まれた血液が渡らないようにするためです。