「AGAはどうやら男性ホルモンが関係しているらしい・・・」と聞いたことがある方も多いと思います。
しかし、「ホルモン」と言われても言葉が曖昧すぎて、いまいちピンと来ませんよね?
具体的に男性ホルモンがどう影響して、薄毛になっていくのかを知らないと納得できないと思います。
もしAGAの治療をする場合は、できればメカニズムを理解して治療内容を納得して進めたいと思うでしょう。
今回は男性ホルモンがAGAにどのように影響をもたらすのかをわかりやすく解説していきたいと思います。
そして、メカニズムを理解した上でどのような治療を受ければ、効果的にAGAを改善できるのかをご紹介していきます。
AGAとは?
AGAの特徴
AGAは、男性型脱毛症のことです。
女性にはない男性特有の薄毛の症状が見られるので、男性型脱毛症と呼ばれています。(女性の場合はFAGAと呼ばれます)
AGAは他の脱毛症とは違う症状が見られることと、AGA特有のメカニズムで発生するので、他の脱毛症とは区別してそう呼ばれています。
他の脱毛症とは、びまん性脱毛症や円形脱毛症、ひこう性脱毛症、脂漏性脱毛症などのことで、これらはAGAとは違ったメカニズムで脱毛症状に至ります。
AGAの症状の特徴
AGAの症状には大きく2つの特徴があります。
薄毛になる箇所
AGAでは多くの場合、前頭部の生え際と頭頂部(頭のてっぺん)が最初に薄毛症状が現れます。
進行していくと頭部の広範囲に症状が現れてくるのですが、発症した当初は前頭部や頭頂部に症状が現れることが多いです。
AGAの進行パターンを研究した「ハミルトン・ノーウッド分類」というものがあり、この分類では9つのパターンに分かれていますが、このパターンは大きく3つに分けることができます。
M字型:前頭部の生え際が徐々に後退していった状態で、頭部を上から見るとMの字になっていることからこう呼ばれています。
O字型:頭頂部が薄毛になった状態です。上から見るとOの字のようになっているため、O字型と呼ばれています。
U字型:おでこの方から広範囲に薄毛になり、上から見るとU字のように髪の毛が見られる状態です。AGAがかなり進行しており、治療にも時間がかかります。
抜け毛の特徴
AGAでは、発生のメカニズムから「抜け毛」に次のような特徴が見られます。
髪の毛が
・細く
・短い
これはAGAの影響によって、髪の毛が成長しきる前に抜けてしまうため、このようになります。
びまん性脱毛症や円形脱毛症などの他の脱毛症では、抜け毛は長い髪や太い髪であることが多々見られます。
もしご自身がAGAかな?と思ったら、抜け毛を数本見てみるとAGAかがおおよそ判断できます。
他の脱毛症とAGAでは治療法が異なるので、自分で勝手に判断して対策を行うのではなく、クリニックで医師に適切に診断してもらった上で対策や治療を行っていく方が効果的です。
AGAが起こるメカニズム
では、AGAはどのようなメカニズムで起こるのでしょう?
AGAは男性ホルモンが影響して発生します。
AGAの犯人は男性ホルモンから発生するDHT
AGAはジヒドロテストステロン(以下、DHT)という物質によって引き起こされます。
DHTが髪の正常なヘアサイクルを乱すことにより、髪が成長する前に抜けるようになってしまうため、薄毛症状になっていきます。
しかし、このDHTはもともとは体内には存在しません。
DHTは、体内にあるテストステロンと呼ばれる男性ホルモンと、5αリダクターゼという還元酵素が結びつくことによって発生します。
男性ホルモンそのものがAGAに影響をおよぼすのではなく、男性ホルモンから変化した物質によってAGAは引き起こされます。
では、DHTがどのように作用して、薄毛になっていくのかを解説していきます。
ここで鍵となるのが、「ヘアサイクル(毛周期)」です。
ヘアサイクル(毛周期)とは?
ヘアサイクルとは、髪の毛が生えてから抜けて、生え変わる周期のことを言います。
髪の毛は次の4つの段階を経て、生え変わっていきます。
成長期:髪の毛が成長し、太く、長くなる時期です。
退行期:だんだんと毛母細胞が分裂をやめ、活動が終息に向かっていく時期です。
休止期:毛母細胞の活動がストップし、抜けるのを待っている段階です
脱毛、生え変わる:髪の毛が抜け、下からまた新しい髪の毛が生えてきます。
1本の髪の毛はこうしたサイクルを経て、成長し、生え変わっていきます。
1本1本でヘアサイクルの時期が異なるため、一気に抜けることはなく、おおよそ全体に髪がまんべんなく残っています。
髪の毛全体の8割〜9割が、成長期にあると言われています。
それぞれの期間は
成長期:3年〜6年
退行期:2〜3週間
休止期:2〜3ヶ月
となっており、髪の毛1本の一生はだいたい4年〜6年ほどになります。
髪の毛の成長の大元になる毛母細胞は、このヘアサイクルを通常40回〜50回程度繰り返すと言われています。
DHTが及ぼす影響
AGAはこのヘアサイクルをDHTの影響により乱されることによって起こります。
DHTは、成長期にある髪の毛に影響し、通常3年〜6年ほどある成長期間を、それより短い期間で終わらせ、早く退行期に移行させてしまいます。
そうすることで、髪の毛は太く・長く成長することができなくなり、さらに、早く脱毛に至ってしまいます。
髪の毛の1本1本のヘアサイクルが乱れることにより、髪の毛の全体でも細く・短い毛が多くなり、全体的に弱々しく、ボリュームのない印象になります。
いわゆる薄毛の症状です。
また、ヘアサイクルが早くなることで、毛母細胞の寿命も短くなります。
DHTの影響により、毛母細胞は通常より早く死滅してしまい、髪を生やす器官を失った毛根では髪の毛が生えてこなくなります。
こうして、髪の毛が生えなくなる箇所が多くなると、薄毛が拡大していくのです。
これがAGAのメカニズムです。
生え際と頭頂部以外は薄毛になりにくい理由
AGAの症状は前頭部の生え際と頭頂部に多く見られます。
なぜ、他の側頭部や後頭部はAGAの症状が現れにくいのでしょうか?
それは前頭部の生え際と頭頂部にはDHTの元となる5αリダクターゼが多く存在し、逆に側頭部や後頭部には5αリダクターゼがあまり存在しないからです。
5αリダクターゼがなければ、テストステロンと結びつくことはできず、DHTは発生しません。
AGAの治療では何をする?
では、AGAのメカニズムがわかったところで、AGAの治療では実際にどのようなことをするのでしょう?
治療では、AGAの原因であるDHTを発生させないようにすることで、AGAの進行を防ぎます。
DHTが発生しないためには、その元となるテストステロンか5αリダクターゼをどうにかしなければいけません。
テストステロンは男性らしい体を作るためだったり、生殖器機能に関係する必要なホルモンなので、なくすことはできません。
AGAの治療では、もう一方の5αリダクターゼの活動を抑えることによって、DHTの発生を防ぎます。
そこで使用されるのが、プロペシアやザガーロといった治療薬(内服薬)です。
プロペシアは有名な薬なので、一度は聞いたことがある方も多いと思います。
プロペシアやザガーロは、5αリダクターゼに作用し、その活動を抑制します。
そうすることで、DHTが発生させないようにし、DHTによって乱されたヘアサイクルを正常な状態に近づけていきます。
AGAには、こうしたAGAの原因を解消するための治療が必要です。
薄毛対策として一般的に連想する育毛剤では、こうした根本的な原因の解決ができないのです。
AGAの治療では、プロペシアなどでAGAの進行を防いだ上で、ミノキシジルなどの治療薬で発毛(髪の毛を生やす)を促進させていくと効果的な治療を行うことができます。
治療費の相場・目安は?
AGAで主に使用される治療薬の新宿エリアの相場は次の通りです。
新宿エリアはAGAクリニックの激戦区であり、治療薬の価格が安い傾向にあります。
プロペシア:6000円〜8000円
プロペシアのジェネリック:3000円〜6000円
ザガーロ:8000円〜10000円
ロゲイン(ミノキシジル外用薬):5000円程度
プロペシアのジェネリック医薬品は、湘南美容クリニックや新宿AGAクリニックが初回1800円で処方しているので、AGAの治療を気軽に始めてみたいという方にはおすすめです。
<湘南美容クリニックについて詳しくはこちら>
<新宿AGAクリニックについて詳しくはこちら>
副作用は?
最後にAGA治療薬の副作用についてです。
噂でAGAの治療薬は必ず副作用があるみたいな言われ方をしているのを聞きますが、それほどではありません。
代表的な治療薬のプロペシアの副作用の発現率は1%以下です。
100人服用して1人副作用が現れるかどうかという確率です。
副作用は必ず考慮に入れて服用する必要がありますが、噂で言われるほど過度に心配する必要もないでしょう。
AGAクリニックで医師と相談の元、正しく服用しましょう。