AGAの治療を始めて1ヶ月くらい経った頃・・・・
「なんか抜け毛が増えた気がする」
「あれ、AGA治療始めたのにどんどん抜けていくぞ!」
と、大切な髪の毛が抜けていくのを見て、とても焦っている方もいるのではないでしょうか?
「せっかく始めた薄毛治療なのに、なんでこんなことになるんだ・・・」
と心の叫びが聞こえてきそうですが、とりあえず落ち着いてください!
それはAGA治療の初期脱毛の可能性があります。
AGAの初期脱毛とは、治療の効果が出始めた最初の段階で起こりうる症状です。
治療と正反対に髪の毛が抜けていくので、治療の効果なんてとても思えない気持ちもわかりますが、AGAのメカニズム上、治療に当たっては避けては通れない道なのです。
(初期脱毛の症状が出ない方もいます)
今回は、AGAの治療で起こる「初期脱毛」について詳しくお話をしていきます。
初期脱毛はいつから?どのくらい続く?
いつから始まる?
では、初期脱毛とは治療を始めていつ頃から起こるのでしょう?
個人差がありますが、プロペシアを服用したりミノキシジルを使用し始めてから、だいたい10日〜1ヶ月で初期脱毛が始まったという方が多いようです。
症状としては、1日100本程度の抜け毛がある、多い人では300本以上も抜けたという声も聞かれます。
正常な状態では人は、1日に50本〜100本程度抜けると言われています。
ですので、それ以上に抜けるようだと初期脱毛の可能性があります。
「いちいち本数を数えるなんてできない」と思う方もいると思いますので、感覚的にはいつもより1.5倍からそれ以上の抜け毛といった感じでしょうか。
明らかに抜け毛が多くなるので、症状を実感される方も多いと思います。
いつまで続く?
そんなに大量の髪の毛がずっと抜けていたら「このままなくなってしまうんじゃないか?」と不安になりますよね?
ですが、ここは冷静に対応することを心がけてください。
初期脱毛が発症した人は誰でも焦りますが、ほとんどがいずれおさまってきます。
その抜け毛がおさまる目安としては、こちらも個人差がありますが、1ヶ月〜2ヶ月といったところでしょう。
多くの方がその程度で抜け毛が落ち着き、徐々に薄毛治療の効果を実感していくようになります。
わかりやすい効果が出てくるのは、早くて半年程度なので、初期脱毛はその前段階として捉えておいてくださいね。
初期脱毛の原因、メカニズム
では、なぜ薄毛治療をしているはずなのに、髪の毛が抜けていくのでしょうか?
それは、治療にあたって、髪の毛の毛周期が深く関係しています。
毛周期について
髪の毛の成長段階
髪の毛には毛周期と呼ばれる一生があります。
ヘアサイクルとも呼ばれ、髪の毛が生えてきて、成長し、抜け落ち、また生え始めるという髪の毛の一生のことを毛周期と言います。
毛周期には以下の4つの段階があります。
退行期(2〜3週間):髪の毛の成長が止まっていく状態です。2、3週間かけて徐々に止まります。
休止期(2〜3ヶ月):髪の毛が抜けるのを待っている状態です。
脱毛:古い髪の毛が抜け、毛母細胞から新しい髪の毛が生えてきます。
毛周期は1本1本違います。
髪の毛は生える時期が異なり、それぞれの毛周期をたどっていくので、髪の毛が一気になくなってしまうことがないのです。
髪全体では、成長期の髪の毛が、8割〜9割を占めると言われています。
一方、休止期の髪の毛は全体の1割〜2割程度です。
今回のテーマである初期脱毛は、この休止期が関係してきます。
AGAにおける成長期の変化によって起こる
AGAは、男性ホルモンの影響によりこの毛周期が乱れることによって起こります。
AGAでは、DHTと呼ばれる男性ホルモンが成長期にある髪の毛に「早く成長をストップしろ」という信号を送って、髪の毛の成長期を短くし、通常の毛周期よりも早く退行期・休止期に入らせてしまいます。
髪の毛は成長期で育ち切らずに休止期に入ってしまうため、細く・短い毛が多くなります。
そうした髪の毛が髪全体で相対的に増えることにより、髪が薄い印象になり、いわゆる「AGA」と呼ばれる状態になるのです。
さらにAGAが進行すると、毛母細胞の活動もストップし、新しい髪の毛も生えてこなくなり、髪の毛の数が減っていきます。
プロペシアの場合
では、初期脱毛はなぜ起こるのでしょうか?
まずはプロペシアで起こる初期脱毛のメカニズムを見ていきます。
プロペシアの作用
プロペシアはAGAによって乱れた毛周期を正常に戻していく作用があります。
5αリダクターゼという酵素に働きかけ、AGAの原因物質となるDHTの生成を抑えます。
DHTはもともと体内にはなく、テストステロンと呼ばれる男性ホルモンが5αリダクターゼと結びつくことで生まれます。
DHTが少なくなれば、毛周期は乱れなくなり、髪の毛は正常に成長するようになり、髪の毛が早く抜け落ちることも少なくなっていきます。
プロペシアはAGAの原因を物質の抑え、AGAの進行を止める働きがあるのです。
プロペシアで初期脱毛が起こるメカニズム
プロペシアを服用する前は、AGAの影響で休止期に入った髪の毛が多くなっています。
その状態で、プロペシアによって正常な毛周期に近づいていくと、休止期から再び成長期に移るタイミングが早くなります。
休止期の下からは新しい髪の毛が生え始めます。
すると、古い髪の毛が新しく生えてくる髪の毛に押し出されるように、抜けていきます。
これがプロペシアを服用することにより起こる初期脱毛です。
プロペシアが作用し、毛周囲が正常に戻ることによって初期脱毛が起こるのですね。
なので、初期脱毛はプロペシアの効果が現れてきている証拠となるわけです。
こうした初期脱毛は、プロペシアと同じ効果を持つザガーロを服用した時にも起こります。
ミノキシジルの場合
続いて、ミノキシジルを使った時に起こる初期脱毛についてです。
ミノキシジルの作用
プロペシアやザガーロがAGAの進行を止める役割を持っている一方、ミノキシジルは「発毛」を促す作用を持っています。
主に血流を促進する効果があり、髪に必要な栄養成分が多く運ばれるようになり、発毛が促されるという仕組みです。
AGAの治療をする時には、プロペシアでAGAの進行を止め、ミノキシジルで発毛を促すという方法が効果的です。
ミノキシジルで初期脱毛が起こるメカニズム
ミノキシジルで初期脱毛が起こるメカニズムは、プロペシアと似ています。
ミノキシジルを使用、または服用すると、毛母細胞が活性化され、新しい髪の毛が成長し始めます。
すると、休止期に入っていた古い髪の毛は、新しい髪の毛に押し出されるように抜けていきます。
初期脱毛は、新しい髪の毛が成長している証拠であり、ミノキシジルが効果を発揮している証拠とも言えます。
新しい毛がミノキシジルの血行促進効果により、太く、長くなる前段階として古い髪の毛は抜けていきます。
髪の毛が抜けることは悲観的にとらえがちですが、これから髪の毛が成長する前段階として是非とらえてみてください。
まとめ
初期脱毛は誰しも焦りますが、事前にこうした知識を持っていれば、無駄に焦ることもなくなると思います。
1ヶ月〜2ヶ月の我慢なので、その期間を耐えて、治療の効果が目に見えてくることを待ちましょう!
AGAの治療は効果が現れるまで、基本的には半年以上かかると言われています。
初期脱毛にしろ、効果が現れるまでの期間にしろ、長期的な視点でいることが治療成功の鍵となります。
効果が現れないからと言って、AGA治療を早期にやめてしまうと失敗に終わってしまいます。
忍耐強く治療を行なっていきましょう!