「ある日突然、髪に円形の脱毛ができていた!」という話はよく聞きます。
いわゆる10円ハゲというやつですね。
正式には「円形脱毛症」という症状の名前です。
症状が急に現れることも多いため、見つけた時はとても戸惑ってしまうと思います。
しかし、まずは慌てないでください。
円形脱毛症は治ります。
よほどのことがない限りは、時間が経てば自然と治っていきますので悲観的にならずに対処していきましょう。
しかし、稀に症状が悪化して広がったり、他の箇所にもできることがあるので、皮膚科で診てもらうことをおすすめします。
ストレスが原因ではなかった!円形脱毛症の原因
「10円ハゲ」と言われる円形脱毛症は以前はストレスが原因と考えられてきました。
なので、「気にすると余計に悪化する」などと、まことしやかに言われていました。
しかし現在は研究が進み、ストレスは円形脱毛症の直接の原因ではないことがわかってきました。
そして新たに、免疫機能の異常であることがわかりました。
免疫機能とは、体の外から悪い菌が入ってくるのを防ぐために、そのような菌に攻撃をする機能です。
普段は免疫機能のおかげで私たちの体は正常に保たれているのですが、何らかの原因で免疫機能が正常に働かなくなることがあります。
そして、通常攻撃しなくてもいいところまで攻撃してしまって、その部分が自滅的に傷ついてしまうのです。
それが髪の毛に及んだ時に、髪の一部のダメージが受け、抜け落ちてしまうのが円形脱毛症の正体です。
円形脱毛症の種類
円形脱毛症は1箇所で起こる単発型の場合は、1年以内に自然に治ると言われています。
しかし、症状が悪化する場合もあり、進行するに連れて複数箇所に症状が現れたり、頭の広範囲が髪の毛が抜け落ちてしまったり、さらには眉毛やすね毛など、全身にまで範囲が及んでしまうことがあります。
単発型、多発型、全頭型、汎発型、蛇行型というように症状によって名前がついていて、症状の悪化には気を付ける必要があります。
円形脱毛症を発症した場合は、できれば皮膚科で診てもらった方がいいでしょう。
主な治療法
ステロイド注射
免疫機能をコントロールするために、患部にステロイド注射をします。
症状が初期の段階の比較的、箇所が狭い範囲の場合行われる治療です。
局所免疫療法
患部に敢えてかぶれを起こさせる薬を塗ることで本来持つ免疫機能を取り戻す治療法です。
冷却療法
局所免疫療法のように、ドライアイスなどで患部に凍傷を起こさせることで元の免疫機能を取り戻していく方法です。
円形脱毛症にならないためには
円形脱毛症をもたらす免疫機能の異常は、何が原因で起こるかは未だ解明されていません。
ですが、アトピー体質の方や家族に円形脱毛症を発症した経験がある人(遺伝)がかかりやすいと言われています。
またストレスや出産などが引き金になる場合もあります。
ホルモンバランスが崩れることで神経系に影響を及ぼすためではないかと言われています。
免疫機能は自分ではなかなかコントロールできない範疇なため、予防策を打つというのは難しいですが、ストレスを溜めないことや充分な睡眠を確保するなど、健康的な生活を送ることで可能性は下げられます。
AGAと同様、生活習慣には特に気を付けていきましょう。